ストーリーの開始点

話もキャラクターも決っているのに、どこから始めたらいいものか…ということがある。
人類の歴史というのは途切れる事なく流れていて、どこが始まりとも言えないから、適当なところから切り出して書き始めるしかない。
なんとかわかるとこまで遡ってから神話に接続したり、どこかの王朝の興亡を描いたり、特定の個人の一生という形で書く場合もある。

創作でも似たようなもので、設定を突き詰めていくと、その世界に住む人たちの話というのはどこまでもさかのぼれるし、逆に時間をいくらでも先に進めていく事が出来る。
ゲームや4コマ漫画だと、あまり考えずにふわっと始める事もできるけど、ストーリー重視の話でそれをやると、話の方向性や推進力というのが出てこない。

一体どこから書き始めればいいのかというのは実は結構な難題。
何かしら話のきっかけになるエピソードが必要で、よく使われるパターンがいくつかある。

1つ目は環境の変化。
進学や就職、あるいはタイムトラベル。
人生の大きな節目になるし、主人公が知らない人や知らない出来事に遭遇することが多く、自然に話が展開させやすい。
旅に出るというのもこれに含まれる。

2つ目は出会い。
環境の変化と同時に起こることが多いけどそうとは限らない。
高校2年の11月とかのタイミングでも、そこでヒロインとの出会い等があればきっかけとして十分。
恋にかぎらずライバルや恩師との出会いというのもある。

3つ目は能力の獲得。
魔法や変身など特異な力を身につけた場合、それ以前とは全く違った話になるし、その力を軸に話として書いていくというのは自然。

他に事件に巻き込まれるというのもある。
事件の結果として環境が変わったり能力を獲得したり、たいていは他の要素と関連しているけど、事件への関与や人生観の変化など、これも十分きっかけになる。

しかしこれらのパターンが使いにくいケースもある。

最近の例だと、たまこマーケット。
うさぎ山商店街はずっと前からあるし、たまこともち蔵、その他の面々もほとんどは以前からの知り合い。
どこから始めてもいいけど、だからこそどこから始めていいのかと難しい。
以前から変わらない商店街という設定が大事なわけだから、環境を大幅に変えるというのは合わない。
1話でもち蔵に告白させるとラブコメになってしまうし、史織との出会いを持ってくると百合物になる。餅屋同士の争いなどもあくまで全体のストーリーの一部で、突出した印象を与えると、そういう話に見られてしまう。
もちろん特殊能力も駄目。ふつーの女子高生からかけ離れる。

そこでしゃべる鳥が出てくる。
あの鳥要らないんじゃないか説があるけど、鳥を話の起点にすることで、他の要素に重点に持ってこずに済んだ。
出会いのパターンだけど、出会いそのものが話の重要なテーマにはなってない。
むしろそうならないようにあえてどうでもいいのを持ってきた感じ。

1話だけ少し時間を切り離して、0話のような形で扱うケースもある。
ワンピースはシャンクスとの出会いから始まるけど、実質的な話の開始はそれからしばらく経った後の旅立ち。
冒険王ビィトでのゼノン戦士団全滅も同じ。
回想としての書き方も出来るだろうけど、重要イベントだからメインストーリーの一部として表現している。
水滸伝で伏魔殿から108の魔星が飛び散るシーンのように、主人公が直接関係しない神話的な描写になることもある。

話の始まりと書く順番が違う事もある。
スターウォーズはエピソード1から描写することも出来ただろうけど、そうするとネタバレになってしまう部分がある。ストーリーの順番と制作の順番を入れ替えることで印象が変わる。
他にも大枠の設定だけにして、回想で少し見せる程度にして、人気が出た場合のシリーズ続編やスピンオフという形で作るケースも多い。
孤立したエピソードを別々に書いていく方法もある。

話の設定やキャラクターの作成が終わると、どのパターンでやるのが一番おもしろくなるのか、あるいは書きやすいのか、話の終わりも考えつつ、始め方をどうするか決めないといけない。
個人的にはこの始め方がストーリ作成で一番難しい。
主人公1人、テーマ1つに絞った作品なら話は簡単だけど、色々考えすぎると複雑に絡まってて大変。そういうのは1度動き始めてしまえば後はキャラが勝手に動くから楽でいいんだけど。
posted by unaunagi at 2013/02/13 18:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 考え事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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